新卒採用面接で感じたこと〜仕事のよろこびについて

投稿者: | 2013年8月11日

3年ほど前から、新卒の方の面接をするようになったのですが、今年も7月に、3回ほど機会がありました。
そこで、学生の方から質問を受けるのですが、仕事の内容や社風以外によく出るのが、どんなときに仕事に喜びを感じますか、という質問です。
特に去年は多くて、面接マニュアルに書いてあるのかと思ったくらいです。

最初は、例えば、回りから反対された企画を何とか通してヒットさせたとき、とか、自分が作った作品に関して、感動したというような手紙を直接いただいたとき、というような答えをしていたのですが、何回か話しているうちに、自分の中でも整理されてきて、結局2つのことに集約されることに気がつきました。
ひとつは、自分が成長すること、もうひとつは、人に喜んでもらえることです。
つまり、人に喜んでもらうことを通じて、自分が成長できるのが、仕事をする喜びなのかなと思いました。
ある意味、当たり前のことだし、音楽の仕事に限らず、昔やっていたシステムエンジニアの仕事でもそうだし、どんな仕事にも共通することですよね。

人に喜んでもらうことが、お金をいただけることに通じ、ビジネスとして成立する基盤なわけですが、その中で自分が成長しなければ、仕事をしている喜びは、長続きしません。
では何が必要か。
私が思うのは次の3つです。
新しいことに挑戦すること。自らリスクを負うこと。結果を出すべく、考え抜き、行動し、その結果に責任を持つこと。
もちろん、仕事ですから、結果が最終的にはプラス(つまり利益を生むということ)になっていなければいけません。
とはいえ、毎回成功するのは難しく、私は勝手に、3年間で収支がプラスになっていればいいと思っています。
そして、ここは勝負所だというようなときは必ず結果を出すということも大切です。

音楽プロデュースの仕事で結果を出すときに常に考えていることがあります。
ひとつはもちろんお客さまに喜んでもらうこと。感動していただけるような作品を作ること。できればそれは、これまでになかった新しい感動であること。そしてそれを知っていただけるような仕掛けをすること。これがなければ、そもそもお金になりません。
もうひとつ大切なのは、アーティストやスタッフがその仕事で食べていけるようにしたいということ。
この両方がうまくいって、結果が出た、ということだと思っています。
だから、自分の手でデビューさせて、そのアーティストが長く音楽家として活躍し、生きていけたら、本当に嬉しいし、一方、自分が何か文章を頼んでこの世界で仕事するようになったライターが、仕事の場を広げて、本を出したりして活動を続けられたら、同じように、充実した気持ちになります。

そんな結果をめざして、常に新しい挑戦を続け、リスクを負う。
これを続けていると、いつの間にか、いろいろなことが見えてくるようになります。
自分が少しでも成長できたかなと実感するとき、仕事を続けてきてよかったと思うのです。

私は、4年ほど前から、管理職になり、部下を持つようになりました。
同じ頃、子供も生まれました。
それまでは、自分のことしか考えていなかったのですが、今度は、自分の後に続く人たちに、いかに仕事の喜びを感じてもらえるかが、一番大切なことになってきました。
世の中というのは、結局現場で実務をやる人がしっかりしていないと、うまく物事がすすみません。
私たちの仕事でいえば、いくら社長や部長が実績がある人でも、現場のディレクターやプロモーターがしっかりしていなければ、アーティストとのリレーションはうまくいかないし、ヒットも出ません。
飛び抜けて力のある人は、どんな状況でも自分で成功を掴み取って行きますが、時には、成功体験をうまくコーディネイトすることも必要だと思います。
そのために、現場が動きやすい環境を作ったり、方向性を示すのはリーダーの大切な役割です。
今私にとって、仕事上の最大の喜びは、お客さまに喜んでもらうこともありますが、若いスタッフが、結果を出し、仕事を通じて成長するのを感じることかも知れません。

なんか、書いているうちに、話が逸れてきてしまいましたが、これから社会に出る人たちも、仕事を通じて、挑戦し、成長する喜びを感じてくれるといいなと思っています。
もちろん、私もまだ発展途上ですから、更に成長できるよう、頑張ります。


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