2011年、コロムビアは、100周年イヤーの後半を迎えます。
100周年の後半のテーマは、日本人の作曲家に力を入れる、ということです。
これは、私がこの仕事を始めてからずっと意識してきたことですが、簡単ではありませんでした。
クラシックの世界は、過去の膨大な名曲があり、演奏家にしても聴衆にしても、まずはその名曲を弾いたり聴いたりすることで事足りてしまうし、場合によってはそれで一生が終わってしまいます。
弾いたり聴いたりする立場では、それは悪いことではありませんし、充実した音楽体験を約束してくれます。
でも、作品を送り出す立場からすると、やはりその沃野の中に一石を投じたい、何か新しいものを残したいと思います。
まして、クラシックはヨーロッパの伝統音楽ですから、それを追随しているだけでは、面白くない。
もちろん、私が音楽を作れるわけではありませんが、それを送り出す環境は作りたい。それも、ある狭い世界だけに通じるものではなく、音楽を生活の中の喜びとして愛するファンの心を揺さぶるようなものを作る人がいたら、そのような作品こそ伝えていきたいと思います。
今年は、音楽ファンの方にきっとよろこんで、そして感動していただける、日本人の作品をリリースします。
今年もよろしくお願いいたします。