本田美奈子

本田美奈子 (ほんだみなこ) ヴォーカル 担当:2003年~

クラシックを、クラシック出身ではない歌手が歌うという企画は、ずっと温めていて、歌手も探していたのですが、ようやく出会えたのが、本田美奈子さんで した。

ミュージカルを歌っていることは知っていたのですが、やはり「マリリン」のイメージが強く、まさか彼女がクラシックをとは思っていませ んでした。ところが、2002年の夏に、ある人の誘いで彼女がオーケストラと共演したのを聴き、そのソプラノ・ヴォイスの素晴らしさに感動し て、終演後の楽屋で「是非、クラシックのアルバムを作りましょう!」とお話しをしたのでした。ミュージカルでの豊富なステージ経験によって磨きをかけられた表 現力は、クラシック歌手とは違う魅力がありました。

実は美奈子さんのサイドもクラシックのアルバムを作りたいと思っていたということで、話しは一気に進み、2003年の春に「アヴェ・マリア」、2004年の秋に「時」をリリースしたのです。

2枚のアルバムを経て、ソプラノヴォイスでのコンサートも重ね、表現力にはどんどん磨きがかかって行きました。まさにこれから更にすばらしい歌が歌えるというその矢先、3枚目の打ち合わせを開始した2005年の1月に急性骨髄性白血病で入院。11月に帰らぬ人となってしまいました。

まだ彼女の歌を聴いたことがない方は、没後にリリースした「天に響く歌~クラシカル・ベスト」を是非聴いてみてください。柔らかいソプラノ・ヴォイスと、岩谷時子さんによる新しい日本語詞、そして本田美奈子さんの表現力に驚くと思います。