田部京子

田部京子 (たべきょうこ) ピアノ  担当:1993年~

私の最初のプロデュース作品は大江光さんですが、彼はやや特殊なので、初めて担当したアーティストはこの田部京子さんと言っていいでしょう。第一印象というよりは、徐々にその素晴らしさが心に染みてきたアーティストでした。繊細で美しいピアノを奏でる人です。今や日本の本格派ピアニストとして、トップのひとりですね。バリバリ弾くというよりは、デ・ラローチャやリパッティに通じる、透明感が特徴です。

メンデルスゾーン、シューベルトでは、彼女ならではの抒情性が最高に発揮されて、本当に素晴らしいですよ。個人的には、吉松隆さんの「プレイアデス舞曲集」が一番気に入っています。現代にこんな美しい曲があったんだという驚きがあると思うからです。坂本龍一ファンにもお薦めです。