先週は、珍しく風邪をひいて、熱を出してしまいました。
もともと丈夫な質なので、滅多に風邪はひかないのですが、久しぶりに水曜日は丸一日寝込んでいました。
当日は矢野沙織のCD発売記念ツアーの最終日で、這ってでも駆けつけたかったのですが、翌日が12人のヴァイオリニストのレコーディングだったので、少しでもクリアな頭で臨むために自粛。
毎年、1月後半から4月前半くらいは、春のアルバム発売に向けて準備がどうしても重なるので、疲れが溜まっていたのかも知れません。それに慣れぬ育児(といっても私はたいしたことをやっているわけではありませんが)が重なり・・・。
先週は、藤原道山の新しい企画アルバムが発売になりました。
今まで録音した音源に、新録音も加えて、日本の四季にちなんだ作品を集めた作品です。特に素晴らしいのが、道山自らが尺八と箏のために編曲した「さくらさくら」。全く無駄な音がないシンプルなアレンジで、一音一音に凛とした存在感と繊細なニュアンスがあり、これぞ日本の美意識という感じです。西洋音楽は音の連なりで表現するところを、日本は一音のニュアンスで表現するんですよね。
そういえば、「響」を作ったときに、冨田勲さんが面白いことをおっしゃっていました。
西洋楽器は、機能的に便利になる過程で、表現力を犠牲にしてきた部分もあるのかも知れない。竹に穴を空けただけの尺八が、無限のニュアンスを持っていることを思うと、進歩と芸術性は必ずしも一致しない、と。
藤原道山のように、機能的不便さを驚異的なテクニックでカバーする演奏家が出てくると、邦楽器にはまだまだ様々な可能性があるのだと気づかされますね。
低体重で生まれたうちの息子も、もう5キロになりました。